太陽系10番惑星「ネメシス」の由来や、原作とアニメのブラックムーン一族の「扱い」について比較しています!
美少女戦士セーラームーンの2期である「ブラック・ムーン」編。
90年代のアニメでは、93年放送の「セーラームーンR」で描かれています。
しかし、原作とセーラームーンRでは、「太陽系10番惑星ネメシス」を本拠地とする、ブラック・ムーン一族の描かれ方が、かなり違うんです!
そこで今回の記事では「ネメシス」の語源を含め、「ブラックムーン一族」について原作とアニメの違いを解説します!
アニメの内容もまとめていますので、振り返りにもご利用ください♡
太陽系10番惑星ネメシスって、そもそも何?
原作とアニメの両方に出てくるキーワード「太陽系10番惑星ネメシス」について説明します。
30世紀の未来で観測される暗黒惑星です。
うさぎたちの住む、20世紀の地球では観測されておらず、21~30世紀の間に新しく発生した惑星です。
惑星は太陽の周りを回転(公転)していますが、ネメシスは公転の軌道をつかむことが難しいとされてきました。巨大なマイナス・パワーを出している惑星です。
30世紀に入り、ネメシスを拠点に活動している団体が「ブラック・ムーン」一族と呼ばれています。
ネメシスの由来は、ギリシャ神話の女神「ネメシス(Nemesis)」です。
下の図で説明します。
ざっくりいうと、ネメシスは「人間ども!神に無礼を働いたな!許さんぞ!」という気持ちを擬人化したものです。
ここで
- 人間を「月の王国(シルバーミレニアム)の加護を受けた地球人たち」
- 神を「ブラック・ムーン一族」
として読み替えると、「地球人ども!ブラックムーン一族に無礼を働いたな!許さんぞ!」ということです。
つまり、ブラックムーン一族を「邪魔者扱い(犯罪者扱い)」した地球人へ「復讐をする拠点」という意味に取れるのですね。
もちろん、私たちの現実世界では、このような惑星は存在しませんよ!
ちなみに、冥王星もセーラームーンの連載が終わってから準惑星になってしまいました(2006年)
ブラックムーン一族についてのアニメと原作の違い
ここからは「ブラックムーン一族」についての、原作とアニメ(セーラームーンR)のの描かれ方の違いをご紹介します
クリスタル・トーキョーについて
まずブラックムーン一族の前に、大前提として、まったく違う描かれ方をしているのが、30世紀のクリスタル・トーキョーです。
- 原 作:セーラームーンが22歳のときに「ネオ・クイーン・セレニティ」に即位。そこから長寿社会が始まった。
- アニメ:30世紀になって「ネオ・クイーン・セレニティ」が銀水晶の力で地球をコールドスリープから目覚めさせた。長寿社会に関する話は一切ない。
この「長寿社会」が原作ではキーワードになっています
ワイズマン(デス・ファントム)とネメシスについて
次は、原作にもアニメにも登場するワイズマン(デス・ファントム)。
プリンス・デマンドををあやつり、全宇宙を支配しようとしていた男ですが、原作とアニメでは設定が異なります。
- 原 作:30世紀よりも昔、クリスタル・トーキョーは「惑星ネメシス」の使い方を模索していた。そんなとき、犯罪者デス・ファントムが現れた。彼はネオ・クイーン・セレニティによって退治され、惑星ネメシスに流された。
- アニメ:ワイズマンの正体は明言されていないが、おそらく「銀水晶の浄化」を望まなかった犯罪者のうちの一人。犯罪者は地球から出て、惑星ネメシスを拠点にした。
原作では、流刑を恨んだデス・ファントムの怨念が、ネメシスと一体化し、最終的には「惑星ネメシスvsセーラー戦士」という戦いになりました。
一方アニメでは、ネメシスはブラック・ムーン一族の「拠点」として描かれるだけでした。
ブラックムーン一族のなりたちと目的について
そしてブラック・ムーン一族の設定も原作とアニメでは異なります。
- 原 作:デス・ファントムの末裔で地球に住んでいた人たち。長寿社会が嫌い。ワイズマンにそそのかされて、ネメシスに移住。長寿社会となった30世紀の地球を終わらせるために、過去の地球から歴史を塗り替えようとしている。
- アニメ:地球から追い出された犯罪者たちの末裔。暗黒の星ネメシスに追いやられた先祖の恨みを晴らし、地球を乗っ取り移住するのがねらい。
原作では「過去の地球を攻める」目的に「長寿社会」が絡んでいます。
一方、アニメは「地球奪還」のため、30世紀のクリスタルトーキョーを乗っ取ることが狙いです。
アニメでは「30世紀がなかなか陥落しないので、20世紀の歴史を変えてクリスタル・トーキョーを作らせないようにする」のが目的です!
ブラックムーン編がアニメと原作で違う理由
ブラック・ムーン編については、原作とアニメでは完全に別物として作られています。
- ネメシスの扱い(本記事で解説)
- ブラック・ムーンの設定(本記事で解説)
- セーラー戦士たちの扱い
- セーラープルートの扱い
- ワイズマンとの最終決戦・・・など
その理由は「原作が難しすぎるから」でしょう。
原作は、キャラクターやストーリーが、とてもきめ細やかに作りこまれていて、なぞ解きをしながらストーリーを理解していくような面白さがあります。
しかし、その面白さを十分理解するには、「武内直子先生の意図」をくみ取らなくてはなりません。
西洋占星術や宇宙に関する知識がないと、理解できない内容もあります。
完全版3巻の176ページで、カラベラスが「地球はアクエリアス時代へ」と言っていること、ヴィーナスが「まだ時代は魚座の愛の時代よ!」と言っていることも、占星術を知らないと、何を言っているのかまったく理解できないのです^^;
当時アニメ化するにあたり、スタッフは相当悩んだんでしょうね。
この難しい話をそのまま放送しても、小中学生には見てもらえない…
だからアニメは、単純な「悪いものをこらしめる」ストーリーに変えられたのかもしれませんね。
と、いいつつアニメも結構難しいのですが…。
ブラックムーン編には「他の違い」もたくさん!
今回ご紹介した内容以外で、原作とアニメの違うところをピックアップします。
全部ではないですが、こうやって比較してみると面白いですね♪
この記事でポイントをおさえながら、ぜひアニメと原作を比較してみてください!
〇原作〇
以下のサイトで電子書籍が購入できます。
〇アニメ〇
「セーラームーンR」はYoutubeの無料期間が終わったら、東映アニメチャンネルでご覧いただけます。
最後までご覧いただきありがとうございました♡